お知らせ
インフルエンザワクチンは生?不活化?
当院では、今年から、2歳~19歳未満を対象にしたインフルエンザ生ワクチンを接種します。安全、確実な投与を第一に考え、12歳~18歳に限定対応としております。
Q.鼻に噴霧するだけでウイルスは外気に触れていますから、周囲に感染を広げる危険性はないのですか?
A.接種後1~2週間は、水平伝播といってワクチンが原因で感染が広がりかねません。米国で2003年から生ワクチン接種が実施されていますが、飛沫、接触による医療従事者への感染報告はないとのことです。
医療従事者は、正しく対応している理由もあるかもしれませんが、「接種後2週間程度は重度の免疫不全者との密接な関わりを避ける」となっていますから、注意が必要です。お子さまについては、保護者が、鼻のかみかた、くしゃみによる水平伝播のリスクについて教えてあげてください。
生ワクチンは、弱毒化ワクチンを接種し、体内で病原体が増殖することによって強い免疫を促しますから、1回の接種で効果が長期間続くといわれます。(昔、麻疹ワクチンは1回接種すれば生涯免疫を得るといわれました。しかし、認識は徐々に変わり、生でも2回接種が定着しています。米国では生インフルエンザワクチンは2回接種となっております。)
Q.不活化インフルエンザは年齢で投与量が異なりますが、生ワクチンは、2歳の子と、体格の大きな18歳が同じ量と聞きました。大丈夫ですか?
A.大丈夫といわれています。日本は、英国での投与に習っています。
Q.5歳児に痛くない生ワクチン接種させたいです。どうですか?
A.2~19歳未満なので接種できます。
しかし、「水平伝播の可能性があるため、ワクチン接種後1~2週間は乳児との接触を可能な限り避ける」となっています。家族構成にもよりますが、もし生後3か月の免疫が十分でない乳幼児がいるご家庭では、不活化ワクチンではいかがでしょうか。(当院では12歳からの対応です)
Q.鼻水が多い子供ですが、点鼻ワクチンはできますか?
A. できます。接種前に鼻をかみましょう。薬液はすぐに吸収されるので、鼻をかんでも効果は下がらず、再接種の必要はないとのことです。
しかし、鼻をかんでウイルスを体外に出すのはもったいないので、個人的にはすすったほうが良いのでは?と思います。また、接種後4週間は鼻腔にウィルス残存していますから、鼻をかんだティッシュにはウイルスがつく可能性が高いです。処理にはご注意ください。
Q.接種後1週間以内に、インフルエンザ様症状が出た場合、陽性になりますか?
A. 迅速検査では陽性になる可能性は高いです。しかし、ワクチン由来か、野生株かの判別は、PCR検査でないとわかりません。接種間もない時期の迅速結果では、副反応かインフルエンザ罹患かの診断が難しくなります。
Q.生と不活化はどちらが効果が高いですか?
A.一般的には生ワクチンは不活化より効果は長く続くといわれます。しかし、点鼻生ワクチンは、接種後に鼻をかんだりすると体内に吸収される分が減りますから、確実に体内に投与される不活化の注射ワクチンのほうが、効果は高いかもしれません。過去のドイツ、フィンランドでの報告では、生と不活化の効果はほぼ同じという報告があります。
Q.どちらを選択するか迷います。
A.どちらも一長一短あります。予防接種には、病気を予防したり、重症化・死亡を防ぎ、長期的な健康を維持する役割があります。個人を感染症から守ることで、社会全体の集団免疫があがり、パンデミックを予防できます。選択肢があると迷いますが、まずは、体調良いタイミングでの接種をお勧めします。
Q.日本脳炎や、子宮頸がんワクチンなど同時接種はできますか?
A.できます。しかし、今年は当院では一種類ずつの接種を推奨しています